技術スタック・インフラストラクチャベースの3層構造
また違った角度で「AI」を分解してみましょう。
この構造は、AIモデルの 訓練(学習)と実行(推論)を支える基盤技術 を、下位層から上位層へと積み上げる形で整理したものです。AIには、明確な 物理的・論理的インフラの積み重ね が存在します。
下位層:ハードウェア・インフラ
役割
AIモデルの計算を物理的に実行するための処理能力と、データやサービスをホストするクラウド環境を提供する、最も基礎となる層です。ここがなければ、AIはそもそも動きません。
主な技術要素
- AIアクセラレータ
- TPU(Tensor Processing Unit)、GPU(NVIDIA、AMD)、各種専用AIチップ
- クラウドコンピューティング
- AWS、Microsoft Azure、Google Cloud(GCP)などの仮想マシン、ストレージ、ネットワーク資源
- エッジデバイス
- スマートフォンや組み込み機器(IoT)に搭載される軽量な処理能力(例:Gemini Nano)
特記事項
この層は、AIの処理能力を物理的に決定づける「動力源」です。経済ニュースを賑わす投資の最優良候補となっている企業が多く存在します。ここでの技術革新が、AIの性能向上と大規模な躍進の原動力となっています。
中位層:モデル・フレームワーク
役割
下位層のハードウェア上で動作し、AIアルゴリズムを 実装・学習・運用 するためのソフトウェア基盤と、実際に学習が完了したモデルそのものを担う層です。
主な技術要素
- 深層学習フレームワーク
- PyTorch、TensorFlow、Keras など(モデル構築・学習のためのライブラリ群)
- MLOpsツール
- モデルのバージョン管理、実験管理、データパイプライン構築ツール
- 基盤モデル
- 大規模言語モデル(LLM)や画像生成モデルなど、学習済みでAPIとして提供されるモデル本体(重みデータ)
特記事項
この層の技術は主に開発者向けであり、一般の目に触れる機会は少ないですが、AIの多様な可能性と性能を決定する「頭脳」にあたります。
上位層:アプリケーション・インターフェース
役割
中位層で構築されたAIモデルの能力を、エンドユーザーや他のシステムが 実際に使える形 にするための最終的な接点です。
主な技術要素
- API / SDK
- 他のアプリケーションやシステムがAI機能を利用するためのプログラマブルなインターフェース
- SaaSインターフェース
- ChatGPT、Geminiアプリ、Midjourney など、ユーザーが直接操作するWeb/モバイルアプリケーション
- 組み込みアプリケーション
- Google Workspace や Microsoft Office など、既存の業務ツールに統合されたAI機能(例:スライド生成、メール下書き)
特記事項
この層のコンシューマー向けサービスが一般に広く使われ始めたことで、AIは一気に社会的な注目を集めました。現在は、特定分野に強みを持つ企業がAIを自社プロダクトに組み込み、競争や投資の軸が 「応用フェーズ」 へと移行しています。